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愛すべきケッタイな国・ノルウェー オスロ便り⑩赤ちゃんと一緒にガイドツアー@ミュージアム

「グー・ユール!」

オスロのしぐりです。
「メリークリスマス!」に当たるノルウェー語のフレーズが「God Jul!」。
12月に入りますとオスロでも、中心地にクリスマスマーケットがたちまして、その横に期間限定の観覧車やメリーゴーランドが設置されたりと、クリスマスらしい雰囲気が立ち込めてまいりますが、こちらに住んでるものとしては、一族郎党のクリスマスプレゼントを買い集めたり、「ユーレブレーブ」(Julebrev)という、直訳すると「クリスマスの手紙」ってなものを書かなくちゃいけなかったりで、まるで締め切りに追われている学生状態です。
クリスマスカードを送る代わりに、今年一年どうだったとかこうだったとか報告するユーレブレーブを書く習慣の家族がいて、うちがまさにそうなんですが、これってノルウェーだけの習慣なんですかね?「ユーレストリーア」(Julestria)、クリスマスラッシュってな言葉があるくらい、ほんとに12月は追われています。日本も師匠が走っちゃいますけどね。

ところで日本では、11月下旬に子連れで会議にでた議員さんが話題になっていたようですが、これを機に、周りも連れて行くほうも柔軟に対応していけるようになるといいですよね。
こちらでは以前から、子連れで会議や会社に行く人の姿を見ることがありますが、だからといって、いつでもどこでもOKというのとはちょっと違います。
保育園に預けられない低月齢かつ何らかの事情でパパもママも出なければいけない状況だとか、休日や夜間にかかってしまって保育園が閉まっていて、友達に頼めないことはないけれど家族の時間にかかってしまうから頼みにくいとか、「他人に頼むのが難しい状況」に限って、周りも(そこは日本よりも寛容に)受け入れているように思います。
お母さんだって本当は一人で集中して仕事したいんですよ。特に、自分が発言することがわかっているときなんか、わが子ながら邪魔でしかないですよ。そういう時に限って「ウチの母ちゃんなんか話し出したでー」ってなノリで、べしべし顔を叩いてきたりするのがベビーですからね。
ですので、よそに頼みづらい状況の時に「何らかの事情で連れてこざるを得なかったんだな」って周りが理解してくれて、肩身が狭くならないような環境がもっともっと必要だとは思いますが、こちらでも、例えば、レクチャーがあったり、録音インタビューがあったりするような場合には連れて行きませんし、お互いの配慮があるからこそ、成り立ってるんではないかと思うんですね。

以前このブログで、ベイビーシネマを紹介しましたが、こういった機会も、低月齢のベビーがいるお母さんが家にこもりっきりにならないで外に出られるように、という思いやりと同時に、裏を返せば、普通のお客さんにとっては一緒では迷惑だから、ということですよね。

てなわけで、今回は子育てネタ第2弾、ミュージアム好きなお母さんたちのための、ベビーと一緒に楽しめるガイドツアー、「ベイビー・オムビスニング」(Babyomvisning)をご紹介したいと思います。ミュージアムによっては不定期なところもありますので、各美術館のホームページをチェックしていただく必要がありますが、どこかしらの美術館で毎週のように行われています。ガイドは基本ノルウェー語ですが、希望が多ければ英語で行ってくれるところもあります。

ベビーカーを指定された場所にとめて、抱っこひもでガイドさんと一緒に回ります。抱っこひもの持参は必須。赤ちゃん用の食べ物も、そういったガイドツアーに参加することを条件に、特別に持ち込むことができます。

火曜日の13時から行われているのが国立美術館(Nasjonalmuseet)のガイドツアー。どの火曜日かは不定期ですので、ホームページでのチェックが必要です。また、回る場所も常設展であったり、特別展であったり、その日によって異なります。

水曜日はムンク美術館(Munchmuseet)。ムンク美術館は毎月一番初めの水曜日のみに行っています。13時からの開催で、通常の大人料金より安く入れます。こちらのツアーは人気で、定員人数分売り切れてしまうことが多いですので、参加希望の方は30分前には行かれたほうが無難です。また、ちょっと郊外になりますが、ヘニー・オンスタッド美術館(Henie Onstad Kunstsenter)も、同じく月初めの水曜日のみ、13時から開催しています。

毎週木曜日はポップセンター(Popsentret)というポップミュージックの博物館で13時から。

毎週金曜日は現代美術のアストラップ・フェンリー美術館(Astrup Fearnley Museet)で14時から。こちらは、通常の入場料に加えて、ベビーツアーの参加料金がかかりますので、170クローネとちょっとお高め。(2017年12月現在)

今後、こういったイベントが日本でも増えるといいですね。もしくは産後の息抜きに、ベビーと一緒に観光でいらっしゃってはいかがでしょうか。
なんせ産み落とすまでに10か月間もの長きに渡ってアルコールの一滴ものまず、つわりのむかつきにも耐え、陣痛のいたみにも打ち勝って、ようやく身2つになったわけじゃないですか。
その後も、やれ夜泣きだの、やれオシメだのでへとへとになり、母乳のために食べ物飲み物の制限があったりと、奮闘状態が続くわけですよね。1回くらい、産後お疲れご褒美旅行をしても罰は当たらないと思いますよ。

オスロへは、コペンハーゲンからの船旅DFDSがおすすめです!

愛すべきケッタイな国・ノルウェー オスロ便り⑨視覚障碍者向けのガイドツアー@ムンク美術館

こんばんは!しぐりです。
実はまだ昼ですが、あえて声を大にして「こんばんは!」。
芸能業界・舞台関係の方は昼でも夜でも「おはようございます」ってご挨拶されるそうですが、ノルウェーは冬に近づくにつれ、昼でも夜でも「こんばんは」な空気が漂ってまいります。

ところで、ムンク美術館所有の『叫び』が来年2018年に日本へ貸し出されることが決定しましたね。
そのせいか夏以降、それに関する質問を受けることがたびたびあるのですが、みなさん結構ご存知ないのが、ムンクの『叫び』は1枚だけじゃないってこと。
個人所蔵のものも合わせると5つ、そのうち4枚がパステルとか油絵具などで描かれたもので、1つが白黒のリトグラフ作品です。(「1つ」と書いたのは、リトグラフは版画の一種ですので同じものが複数枚刷られて現存しているからです。)
そのカラー作品4枚の中で最後に描かれた1910年制作の『叫び』が日本へ渡航します。

そのムンク美術館で今年から年に4回、視覚障碍者の方のためのガイドツアーが行われていると聞いて、今年最終回の11月18日(土)、取材に行ってまいりました。
取材申し込みの際に対応してくれた職員の方によると、オスロ市内のほかのミュージアムでも、事前の問い合わせ&申し込みがあればその都度対応しているところもあるそうですが、美術館のほうから企画&参加者募集という形で行っているのは、ムンク美術館のほかにノルウェーではないと思う、とのことでした。

ノルウェー国外に目を向けると、視覚障がい者のためのガイドツアーで有名なミュージアムの一つに、イギリスの大英博物館があります。
数年前に春画特別展を開催して一時期世界中の話題となった博物館ですが、「Handling session」という彫刻作品などに「触れて」楽しむ機会の含まれた視覚障がい者向けのガイドツアーを常時設けています。
オスロでも、ヴィーゲラン彫刻公園の横にある「ヴィーゲラン美術館」では、ブロンズ像など美術館内に設置してあるいくつかの彫刻に触れながら解説を聞くことのできる視覚障碍者向けのガイドツアーを行っています。(※要事前申し込み。)でも、ムンク美術館は主に「絵画」のミュージアム。作品に触れて楽しむことが難しい中で、ガイドツアーはいったいどのように行われるのでしょうか。

ちなみに、時間の関係で今回のガイドツアーでは使われませんでしたが、ムンク美術館はキャノンの協力でムンクの有名作品を視覚障碍者の方々に触ってお楽しみいただくのを目的とした3Dパネルを所有しています。
「メランコリー」「絶望」「別離」の3作品がパネルとなっており、初公開された2015年10月以来、シネマ室の横にかけられていて、どなたでも触って筆致などを感じることができるようになっています。残念ながら、この3Dパネルの制作プロジェクトが進行していた期間の展示の関係で、最も有名ともいえる『叫び』や『マドンナ』は3D作品にはなっていませんが……。

今回の参加者は、付き添いの方を含めて10名+盲導犬1匹+ガイドのフレヤさんと私という構成でしたが、この10人強というのが実は理想的な人数だとのこと。それ以上になるとよく聞き取れなかったり、作品に近づきにくかったりするそうです。

まずは入り口で、美術館の間取りや順路、展示の構成、展覧会のコンセプトなど全体的なことを説明・解説。その後それぞれの部屋で再度、部屋自体の描写・説明をおこない、いくつかの絵の前で立ち止まっては、何がどのような構成で書かれているかを客観的かつ豊かな表現で描写し、そのうえで、それぞれの絵の裏にある作者の意図や時代背景などを解説していきます。

フレヤさんによると、参加者の比率としては、もともと視力があって事故や病気で後天的に視力が弱まったり失ったりした方々のほうが多いそうですが、もちろん先天的に視力をなくされている方が参加されることも珍しくないとのこと。
そのような、そもそも「色」などの概念をお持ちでない方にも絵の世界観が伝わるよう、説明の際には「凍るように寒い青」「酸っぱいような緑」といった、五感のうちの視覚以外の感覚を呼び覚ますような形容詞を多用して伝えるように工夫しているそうです。

ある男性参加者は「僕は全く見えていないわけではないけれど、ぼんやりと存在しているものに対して、何が描かれているのかを描写してもらい解説を加えてもらうことは、絵を楽しむ大きな助けになっている。頭の中でどういう絵なのかが再構築されて見えてくるからね。」と言葉での客観描写がいかに助けになっているかを強調していました。
また、別の女性参加者は「私は、絵のぎりぎりまで顔を近づけてじっくり見たいタイプなんだけど、個人で来てそういう見方をしていると、周りに異様な目で見られるでしょう?こういう機会だと安心して心おきなく楽しめるのがいい。」と感想を述べていました。

また、アイフォン専用のアプリですが(ノルウェーでは様々な理由から、障がい者の方はアイフォンを使っていることが多いそうです。)ムンク美術館のアプリをダウンロードすると、視覚障がい者向けの解説がなされたオーディオガイドを自分のアイフォンで聞くことができ、ガイドツアーに参加しなくても、自分のペースで鑑賞しながら楽しんでいただけます。
同じアプリの中には、聴覚障がい者向けに手話で解説されている動画も含まれています。
絵画に「作品という表現媒体を通しての画家とのコミュニケーション」という側面があるとすると、工夫によっては、単純に「見る」以上に、画家が伝えようとしたものを受け取り、感じたり解釈したりすることができるのかもしれませんね。

【ムンク美術館】
住所:Tøyengata 53, 0578 Oslo, Norway
電話:(+47) 23 49 35 00
メール:info@munchmuseet.no
ホームページ:http://munchmuseet.no/en/ (英語、ノルウェー語)

【ヴィーゲラン美術館】
住所: Nobels gate 32, N-0268 Oslo, Norway
電話:(+47) 23 49 37 00
メール:vigeland@kul.oslo.kommune.no
ホームページ:http://www.vigeland.museum.no/en (英語、ノルウェー語)

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http://www.tumlare.co.jp/guide/cruise/dfds/

愛すべきケッタイな国・ノルウェー オスロ便り⑧ノルウェーが舞台の映画「スノーマン」

こんばんみー!オスロのしぐりです。
みなさま、先週の13日の金曜日は無事乗り切られましたでしょうか。まぁ、オスロは、すでに最低気温が1℃とかになっておりましたんで、ジェイソンも面倒臭かったんでしょうね。こちらは何事もなく平和な1日でございました。

その13日の金曜日に合わせてかたまたまか、その日オスロ市内の映画館ではイギリス映画「The Snowman」が封切だったんですが、何を隠そうこの映画、ノルウェーのミステリー小説「Snømannen」が元ネタなんですね。かわいらしいアニメーションのスノーマンを期待していらした方、すみません。バリバリ人殺しの話です。

ヨー・ネスボー(Jo・Nesbø)というノルウェー人の作家がおりまして、ハリー・ホーレ(Harry・Hole)という名前の刑事を主役にしたシリーズものを書いたりしてるんですが、そのハリー・シリーズがノルウェー人に大人気。
シャーロック・ホームズとか刑事コロンボのシリーズみたいなもんですが、「スノーマン」は刑事ハリー・シリーズの第7作目で、ノルウェー書店賞やノルウェー・ブッククラブ賞を受賞しています。
刑事としては優秀だけど家庭人としてはダメダメ、妻には愛想をつかされたけど、息子はそんなパパでも大好き……と、なんとなく日本の刑事ものの漫画にでも出てきそうな設定の男が主人公です。

こちらがその小説バージョン。友達が読み終わったものをもらって来て以来、我が家の片隅にほこりをかぶって転がっておりましたが、ノルウェー語の勉強のためにもう一度読み直そうと思います。

日本でもそのうち公開されるかと思いますので、ネタバレになりそうなことは書きませんが、主人公のハリー・ホーレがオスロ在住の設定なので、映画の大部分はオスロでロケが行われています。
ヴィーゲラン彫刻公園や、ノーベル平和賞の授賞式で知られる市庁舎など、観光名所の王道の数々も登場します。

小説の中でハリー・ホーレは「Sofies gate 5」に住んでいるという設定になっているのですが、この住所、ツアーのランチで使われることもあるレストラン「Sofies Mat og Vinhus」の並びに実際にある建物です。

映画の帰りに立ち寄ってみると、面白いことにドアベルの一つに「ハリー・ホーレ」の文字が。写真を撮っている最中にたまたま帰ってきたここの住民の方に伺うと、いつごろからかこの名前になっているとのこと。ハリー・ホーレではない誰かが実際に住んでいるらしいのですが、試しに押してみちゃう人とかいないんでしょうか……。


「レストラン・シュレーダー」(Restaurant Schrøder)。市バス21番線の停留所、「サンクトハンスハウゲン」(St.Hanshaugen)のまん前にある1926年創業の老舗レストランですが、ハリーの行きつけのレストランとして小説の中に登場します。映画の中では、ハリーがここでソーセージを食べている姿が、赤のチェックのテーブルクロスとともに印象的に表現されています。

その他にも中心地の街並みが登場したり、ホルメンコーレンのスキージャンプ台が背景に見えたりと、オスロを代表する風景がちょくちょく出てきます。
これからノルウェー旅行を考えられている方、この映画を見られてから行くと面白いかもしれませんね。

ちなみに第2の都市ベルゲンも舞台の一つとして登場します。
また、もうすでに行かれた方、訪れた思い出の場所を雪景色で懐かしんでいただくチャンスです。

なぜノルウェー人がノルウェーで英語をべらべらしゃべっているのかという突っ込みはなしでお願いします。ちなみに、ノルウェーにはノルウェー語という言語が存在します。念のため。

愛すべきケッタイな国・ノルウェー オスロ便り⑦オスロ・カルチャーナイト

みなさま、お久しぶりです。オスロのしぐりです。いよいよ秋ですねー。スポーツの秋、読書の秋、芸術の秋、…と思い思いにお楽しみかと思いますが、今回は無料のカルチャーイベント、そして「練習ホテル」という名前のついた施設についてご紹介したいと思います。

オスロには春と秋の年に2回、市内ほぼすべての美術館・博物館等の文化的施設が無料で楽しめるイベントの日があります。
春は「ツーリスト・イ・エーゲンビー(Turist i egen by)」(自分の町でツーリスト)というイベントで、毎年4月の20日前後の日曜日に朝から夕方まで開催されているのですが、秋は「オスロ・クルトゥールナット(Oslo Kulturnatt)」というタイトルで、毎年9月の第3金曜日に夕方16時から22時頃まで、遅いものは夜中の12時近くになるまで、どこかしらで何か催しものが行われています。

普段は一般公開されていない施設もオープンしていたり、特別コンサートが行われるなど、市内の100を超える場所で様々に楽しむ人の姿が見られます。
旅先で一つでも多くの美術館・博物館を貪欲に回りたいタイプの方、この日に合わせていらしていただけるとたっぷりご堪能いただけること請け合いです。少しシーズンを外れてしまいますが、なんといっても無料なので、駆け足で見ていただいたり、つまらないと思ったらすぐに出ていただいても、「金返せー!」ってな気分にはならないですしね。お金払ってませんから。

今年はお目当てのピアノコンサートが夜の22時からだったので、それまで「エービングスホテーレッ(Øvingshotellet)」、「練習ホテル」という名前の付いた施設に行ってみることにしました。

たまたまなのですが、私の回りに楽器をされている方が多くてですね。プロの方はもちろん、ある程度しっかりやっていらっしゃるお子さんなんかになると、指がなまってしまうので、旅行中であっても少し触る程度でいいから練習したい、と相談をうけることがあるんですね。その点日本だと、全国いたるところにカラオケボックスがありますんで、「カラオケボックスに走れー!」の一言で済むんですが、そんな気の利いた施設、オスロには一軒もございません。
てなわけで、以前からどんなもんやろと興味を持っていた「練習ホテル」に、見学を兼ねて行ってまいりました。「ホテル」っていっても宿泊は不可。あくまで練習のために数時間滞在するための施設です。こちらも、カルチャーナイトの日は無料で使えます。

中央駅からトラムで2つ目のHeimdalsgata、もしくはSchous plassで降りると、「スカウス・ブリッゲリ(Schous Bryggeri)」という昔の醸造所だったレンガ造りの建物が並ぶ一角が目の前なのですが、その中に「ポップセントレッ(Popsentret)」というポップミュージックに関する体験型博物館と「リクスシェーネン(Riksscenen)」というコンサートホールがありまして、ホテルは向かって左にあります。

部屋のタイプは様々。アップライトピアノや電子ピアノがおいてあるだけの小さなものから、ドラムやスピーカー、マイクを備えたバンドの練習向けの部屋、はたまたグランドピアノ付きの21人まで入れる部屋までありますが、部屋が大きくなればなるほど、その分値段は上がります。今回は、普段なら1時間70クローネの「ピアノ+もう一人用」という一番安い部屋を使ってみました。

フロントで使いたい部屋のタイプを言い、部屋のカギを受け取ってエレベーターで最上階に。廊下に降りると、ピアノだけでなく様々な楽器の音が小さく聞こえています。

ピアノの前に鏡があるせいか、弾いている最中に若干音がはねかえってくる感じがありますが、まぁ指慣らしには充分かと思われます。
受付のお兄さんによると、平日は予約がないと満室の時が多いそうですが、週末はふらりと来ても使える可能性が高いとのこと。ネット上から予約することもでき、ホームページでは部屋についている備品を確認していただくこともできます。
「子供が楽器をやっているからなかなか海外ツアーは……」と思われてるお母さん、オスロならここがありまっせー!はたまた、旅行中に仲たがいして怒鳴りあいの大ゲンカをしたくなった方にもおすすめです。

ØVINGSHOTELLET
月-木: 10.00-23.00
金 :10.00-21.00
土・日: 10.30-16.30
住所:Trondheimsveien 2, bygg H, 0560 Oslo
電話: (+47) 911 68 464
ホームページ:http://www.ovingshotellet.no/

愛すべきケッタイな国・ノルウェー オスロ便り⑥グリーグやイプセンも愛した老舗レストラン「エンゲブレットカフェ」

まだ一応夏であるはずなのに、食欲の秋がすでに到来してるしぐりです。アンズタケという日本ではあまり馴染みのないキノコがあるのですが、こいつが晩夏から初秋にかけて森の中に生えてるんですね。こちらではカンタレル(Kantarell)と呼ばれておりますが、あたくし大好物なのです。ただ、あまりお醤油とかお味噌に合う香りではないんですよ。鍋やお味噌汁にはNG。日本で馴染みがないのもうなずけます。クリーム系のパスタソースとかクリームスープ、もしくはバター焼きにするとめちゃくちゃ美味しくて、むしゃむしゃやらかしてる間にすっかりカロリーオーバー。早くもお腹まわりがとんでもないことになってしまっています。

今回はオスロを訪れたら是非立ち寄っていただきたい老舗レストランをご紹介したいと思います。ディナーは少々お値段が張りますが、ランチはノルウェーとしては平均的な値段で楽しめます。

1857年創業。1857年って言ったら日本じゃまだ江戸時代ですよ。作曲家グリーグ、劇作家イプセン、画家のムンクをはじめとする数多くの芸術家、政治家に愛されたレストランです。


レストランの向かいには噴水を挟んで国立現代美術館。もともとは銀行のための建物でしたが、1837年にクリスチアニア劇場となり、そこの舞台監督に就任していた時期のイプセンがちょくちょくこのレストランに来ていたそうです。

イプセンがいつも座っていた2階の席。窓からは元劇場の現代美術館が眺められます。

その隣のランプが置かれている席はグリーグの定席だったテーブル。

今回話を伺ったのは、レストラン・マネージャーのミルヴァさん。
このレストランの魅力は何といっても、トナカイの肉や酢漬けニシンなど、ノルウェーの伝統料理のみを提供しているところ。クリスマスの時期にはクリスマスパーティー用の特別メニューも登場し、ルーテフィスク(Lutefisk)という干し鱈をゼリー状にしたものや、スマーラホーベ(Smalahove)という羊の頭の料理などノルウェー独特の料理を提供しているそうです。


比較的リーズナブルなランチメニューのおすすめを伺うと、フィッシュスープと小エビのサンドイッチをあげてくれました。1862年からのレシピを守りつづけているフィッシュスープは魚介類の味がしっかり溶け込んでいて、一緒についてくるバターつきのパンと最高のコンビネーションです。


エビとイクラをふんだんに盛り付けたサンドウィッチ。下にあるパンが完全に埋もれて見えません。


外のテラス席と、入り口を入ってすぐ左手の部屋が食事のお客さん用。

入口右手の角部屋は、食事ではなく、お酒やケーキなどを楽しみたい人向けの部屋。昔、ボヘミアンたちがお酒を片手にくつろいでいたそうですが、今もその雰囲気を残しています。

そのほかの部屋は、グリーグやイプセンのテーブルがある2階の部屋を含め、会食用なので大人数での予約が必要ですが、使われていないときに限り自由に見学できます。

部屋の壁や階段にかけられている古いプレートは、「プルプルネーセオルデン」(Purpurneseordenen)といって、訳すと「赤っ鼻勲章」。19世紀当時、土曜日の夜は強いお酒を大っぴらに飲めなかったそうなんですね。ですが、芸術家が集まるとやはりお酒がつきもの。内々で土曜夜17時以降に強いお酒を飲んだ人に、良くやった!てなノリで、芸術家協会(Kunstnerforeningen)がその勇気(?)をたたえて贈った、パロディー的な勲章です。

[店舗情報]
Engebret Café
Bankplassen 1, 0151 Oslo
電話: +47 22 82 25 25

月曜~金曜11:30-23:00(食事は21:30まで)
土曜17:00-23:00(食事は21:30まで)
日曜休業

ランチ155NOK~
ケーキ145NOK~
ディナー メイン料理298NOK~
(2017年8月現在)

愛すべきケッタイな国・ノルウェー オスロ便り⑤ 絶景「トロールの舌」(トロールトゥンガ/Trolltunga)2017年最新情報

どーもー!ノルウェーはオスロのしぐりです。
突然ですがみなさん、「トロール」ってご存知でしょうか?
ノルウェーの森や山に住む妖精で、手足の指が4本ずつなのが特徴です。そのトロールをかたどったトロール人形がノルウェー土産の定番品だったりするのですが、怖い顔にお腹がポッコリ出ていまして、一歩間違うとイヤガラセ(笑)、へたすると子供が泣くレベルのブサイクっぷりです。

日本語では「トロール」もしくは「トロル」と表記されており、「妖精」と説明されていることが多いのですが、どちらかと言えば「妖怪」という言葉のほうが近いんじゃないかと思っています。
ノルウェーを代表する偉大な作曲家、エドヴァルド・グリーグの作品『ペール・ギュント組曲』の中に「ドヴレ山の魔王の広間にて」(I Dovregubbens Hall)という曲があります。
小学校の音楽の時間などで耳にしたことがある方も多いかと思いますが、これも正確に言えば「魔王」というよりかは「トロールの王様」「トロールの親玉」なんですよね。まぁ、人間でない不思議な生き物の総称とでもいいましょうか。
あの可愛らしいフィンランドのキャラクター、ムーミンもノルウェー語では「ムーミートローレッ」(Mummitrollet)といいまして、トロールという言葉がくっついています。

そんなトロールの名前の付いた岩「トロールの舌」へ行ってきました。
しぐりはトレッキングにかけてはズブの素人なのですが、せっかく自然豊かな国にいるのだからということで、夏になると1度は山へ出かけます。その際、素人ハイカーとして心がけているのが、次の3点。

①まず第1に天気です。天候が良いときにしか行きません。多めに休みを取っておいて、あとは天気予報に合わせてフレキシブルに予定を組みます。
今回は5日間休みを確保したのですが、その週は降水確率0パーセントの日が1日だけしかなかったので、その日に合わせて夜行バスでオスロを出発し、早朝から登山、その日のうちに下山して同日の夜行バスでオスロへ戻るという行程になりました。
天気さえ良ければ、テントをかついで出かけて、キャンピングも楽しみながら数日かけてのんびり「トロールの舌」へ向かう、ということも考えていたのですが、雨の中をサバイブするほどのスキルも装備もないので、今回は断念。

②次に靴。トレッキングシューズだけはケチらないで、自分の足にあったものを用意し、かつ、出かける1週間くらい前から外に行くときには履いて、足に慣らすようにしています。
携帯の電波が通じない場所で足を痛めてしまったら、どうしようもないですからね。
ちなみに今回は、登山口へ向かう途中のシャトルバスの中ですでに圏外になり、その後電波の入る場所は、夕方またシャトルバスで同地点に降りてくるまでの約11時間全くありませんでした。

③最後に、軽量の防水・防風加工のジャケットとパンツ。
万が一天候が急変したときに、濡れずに体力を奪われずにすむように、雨対策の上下を必ずリュックの中に入れておきます。とはいえ、これまで1度も使わなければならないような状況に陥ったことがないので、お守りのようなものにすぎませんが。

まずオスロからオッダ(Odda)という町へ向かいます。NOR-WAY Bussekspressというバスが1日3本出ています。(2017年8月現在)
https://www.nor-way.no/en-US

また早朝から登山を開始するのであれば、オッダから登山口のあるシェッゲダール(Skjeggedal)まで、「トロールの舌シャトル(Trolltunga Shuttle)」というシャトルバスが1日2本出ています。
夏の登山シーズンの6月15日~9月15日の間だけの運行です。
帰りのシェッゲダールからオッダまでは、夕方に3本。(2017年8月現在)行きは150クローネなのに、帰りは100クローネ。往路は上り路でガソリン代がかかるから、ってことなんでしょうか。
https://www.hardangerfjord.com/odda/reiseinformasjon/trolltunga-shuttle

シェッゲダールから新しい道が開通したというお知らせ。
シェッゲダールでシャトルバスを降りたら、まずはこの新しくできたジグザグの緩やかな車道を4キロ歩きます。1日限定30台の勝ち組自家用車が、えっちらおっちら歩く我々を颯爽と追い抜いていきます。

シェッゲダールから見上げたところ。廃線になったトロッコの線路を分断するようにジグザグの道が上方に見えています。

麓から上まで直線距離にすると恐らく1キロ程度なのでしょうが。
左右に大きくジグザグに上っていくかたちなので、道の最後が見えているのになかなか近づかない。写真を撮りながらのんびり歩いたこともあって、4キロの車道を歩ききるのに1時間近くかかりました。

ここからが大自然の本番。
近年「トロールの舌」の知名度が高まるにつれて、死亡事故が起きたり、救急ヘリを要請する騒ぎが増えたためか、想像していたよりもきれいに整備されている印象でした。

数メートルごとに設置されている赤いTマーク、もしくは先が赤く塗られた棒はDNT (Den Norske Turistforening)という組織が設置した道しるべ。

8月15日以降もしくは6月15日より前の時期は、ここに到着した時点で13時を回っていたら引き返せと警告している看板。

避難小屋も途中いくつか見かけました。

危険な登山者がいないか目を光らせている監視員と監視員小屋。


参考までに所要時間の内訳を書いておきますと、シェッゲダールから「トロールの舌」までの片道約14キロを歩くのに5時間(7時~12時)、戻るのに4時間(14時30分~18時30分)、「トロールの舌」の上で写真を撮るのに2時間かかりました!
記念撮影の1分を得るために、なんと、2時間強も並んで待たなければならなかったのです!


まるで絵の具で色付けしたかのように鮮やかなコバルトブルーの水の色。

無事に帰還できたところで「トロールのクリーム」(Trollkrem)というノルウェーの伝統的なスイーツを作ってお祝いです。

夏の時期になると森や庭など、至るところになっている赤スグリの実(Hagerips)を鳥と競争しながら採ってきて、卵の白身と砂糖と一緒に泡だて器で混ぜるだけ。
これ以上ないくらいに簡単なレシピにも関わらず、ふわっふわのムースのような不思議な食感になるのです。出来上がったクリームに、トッピング用に別にとっておいうた赤スグリを多めに散らして甘酸っぱさを強めに出すのがしぐり流です。

愛すべきケッタイな国・ノルウェー オスロ便り④ オスロ・プライド「傾(かぶ)き者の祭典」

こんにちは!数日前の夏至祭りで朝まで飲んでしまって、しばらく体が重かったしぐりです。
毎年この時期になると、街の中心地はレインボーカラーであふれだします。ご存知の方も多いと思いますが、レインボーカラーは多様性の象徴、LGBTの人たちのシンボルカラーですね。
今年は6月23日から7月2日まで、「オスロ・プライド(Oslo Pride)」というLGBTの人々の権利を守ろうと呼びかけるフェスティバルが開かれています。

オスロの市庁舎では、LGBTのアーティストの美術展が。
今でこそマイノリティーの権利に対する意識の強いノルウェーですが、歴史を紐解きますと、1163年の昔から同性愛禁止の法律があり、また1905年には同性で関係を持つと1年以下の懲役になるという項目が憲法213条に加えられ、1972年までその条項がいきていたそうです。
今でも70か国以上で、同性の恋愛が禁止されているとのこと。そういった現状に問題を投げかけるような作品が多数展示されています。

ちなみにノルウェー語で、LGBTの方々のことを「シャイベ(Skeive)」と言ったりします。
「傾いている」って意味の形容詞「シャイブ(Skeiv)」ってのがありまして、一緒に使われる名詞によって語尾が変わりますが、「ここの床、シャイブト(Skeivt)じゃない?」みたいな感じで普通に使われてる形容詞です。つまり、「シャイべ」ってことは「傾(かぶ)き者」ってなニュアンスなんじゃないかなぁと思うんですが、なんか、かっこよくありませんか?

王宮に至る目抜き通り、カールヨハンス通りにある「スピーケルスッパ(Spikersuppa)」という噴水広場では、「プライド・パーク(Pride Park)」という特設会場が。

驚いたのは食べ物や飲み物を売るブースに混じって、多くの政党のブースが立ち並んでいたこと。立ち寄って話をしてみました。

警察やノルウェー軍もLGBTを支持・保護する立場にあり、仲間として職場に受け入れていることをアピール。

連立与党を構成するHøyre(保守党)。
オスロ支部のリーダー、エイリック・ソルベル(Eirik Solberg) さんが党が掲げている取り組みについて詳しく説明してくれました。
進歩的なノルウェーとはいえ、残念ながらいまだに学校や職場でのいじめや差別が残っているそう。それをなくすために、与党としてどのような政策に積極的に取り組んでいるかを、時間をかけて教えてくれました。

保守党とともに与党を支えるもう一つの政党、FrP(進歩党)では若い党員、マチルデ、マルティン、アンドレアスが若年層に対してアピール。
レインボーカラーのマニキュアを用意して、道行く人々に活発に話しかけていました。

Rødt(共産党)のブース。少数派であるからといって多数派に合わせる必要はない、少数派であったとしても多数派と等しい権利を持つべきだ、という概念を強調していました。
「ここでブースを出すのは安くないから、野党の私たちとしては大変だけど、LGBTへの支持を表明するために頑張っているわ。」とマーリットさん。

労働組合のブース。職場や労働環境において差別がないように、労働組合としての立場を説明してくれたヘーゲさん。

また、面白かったのは、ベルゲン大学とオスロ大学のブース。

オスロ大学の文化歴史博物館では2008年から毎年のようにLGBTをテーマとした特別展を開催しているとのこと。
過去の展示や、大学で行われる予定のLGBTを取り巻く文化関連のレクチャーに関する情報を教えてくれました。また、LGBTを表明しているオスロ大学の学生や職員のインタビュー映像を流していました。

ベルゲン大学はLGBTに関するユニークなアーカイブを所蔵しています。
トーネ・へレスン(Tone・Hellesund)教授個人の研究資料を基にしたアーカイブだそう。そのアーカイブを利用した特別展「Skeivt uteliv」が、オスロ大学文化歴史博物館で8月末まで開かれています。

展示について教えてくれたのは、ベルゲン大学のハイディ・ラフト(Heidi・Rafto)さん。
社会人類学の立場から、LGBT資料を展示することの重要性を語ってくれました。
「資料を保存という形で眠らせておくのではなく、目に見える形にすることが重要でした。また、オスロという首都で開催することが大切でした。世界中から来る様々な人に見てもらえるチャンス、考えていただけるチャンスが高いでしょう?」

飲み物・食べ物の持ち込みは禁止されていますが、入場は無料。特設ステージではコンサートも行われていますので、ビアガーデン代わりに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

7月1日にはグルンランド(Grønland)という地区から会場までパレード(Pride Parade)も行われます。

特設ウェブサイト(ノルウェー語)https://www.oslopride.no/

愛すべきケッタイな国・ノルウェー オスロ便り③ 国立美術館のカフェ「フランスの間」

そういえばオスロ、5月初旬に雪が降りましてですね。さすがのオスロでも5月に雪は反則ですよ!!4月下旬にTシャツ1枚でオッケーなくらい暑い日が続いたもんですから、ごっそり衣替えをしちゃったとこだったんですね。そのノリで外に出たら、予想外の冷気の中を白いものがひらひら ……。異世界への扉を開けてしまったかのような感覚に襲われてめまいがしてしまいました。何年住んでもノルウェーの気まぐれっぷりはあなどれません。ツンデレの彼氏に振り回されてるってこんな気分なのかな、なんて思ったりしてるしぐりです。
さて、今回は子育てネタから離れて、ぜひ今のうちに行っておいて欲しいオススメのカフェのご紹介です。

こちらは国立美術館。2階にはノルウェーが誇る画家、エドヴァルド・ムンクの作品を集めた「ムンクの間」もありまして、オスロを訪れる旅行者がマストで立ち寄る場所でもあります。
この美術館、趣があってとても居心地のいい空間なのですが、ノルウェーが貧しかった時代の19世紀に建てられたものなので、国立美術館のわりにはこじんまりとしています。1882年にオープンしたのですが、10年後にはすでに小さすぎると議論されていたほどでした。
過去に何度も増築や移築の案が出ては資金面などの問題で計画が立ち消えになっていましたが、ようやく今、港のそばに新国立美術館の建設が進められており、2020年にオープン予定となっています。
つまり、この歴史ある美術館でムンクをはじめとする美術作品を楽しめるのも、新しい美術館が完成してお引越しするまでの期間限定なのですね。
そこで是非、機会があったら立ち寄っていただきたいのが「フランスの間」と名付けられたミュージアムカフェ。

入り口を入ると右手にミュージアムショップがあるのですが、その奥に見えるのが「フランスの間」。

今回はこのカフェの経営を行っているキュートな母娘、ギセラさんとイサベラさんにお話を伺ってきました。お母さんのギセラさんは経理とイベントの担当。2012年にイサベラさんが先代の経営者一家と美術館から「フランスの間」の経営の引き継ぎを打診され、2つ返事で引き受けたそうです。
「このカフェだったからこそ引き受けたの。オリジナリティがあって特別だったから。食事と芸術の融合という面でとても興味深いと思って。」とイサベラさん。

「フランスの間」という名前の由来は、フランス政府から贈られた17、18世紀の美術品が展示されていることによるもの。壁のレリーフや窓際のマリー・アントワネットをはじめとする胸像は、ルーブル美術館の工房で作られた正規のレプリカ。1923年にそれらの芸術品とマッチするようにデザインされた空間は、もともと彫刻などの展示室だっただけあって、床の木目模様といい大理石を模した化粧漆喰といい、一見の価値があります。

この部屋の設計を手掛けた建築家アーンシュタイン・アルネベルグ(Arnstein Arneberg)はオスロ市庁舎などの設計も手掛けた有名人です。

部屋の中央に2002年から置かれているモダンなキューブ状のカウンターは、現在活躍中のノルウェー人建築家クリスティン・ヤールムン(Kristin Jarmund)のデザイン。「このカフェのように、モダンと古典の調和した空間というのはオスロにあまりないわよね。」とギセラさん。格調高い雰囲気を楽しみながら、北欧風のシンプルな食事を楽しむことが出来ます。

スカンジナビア産のビールとフランス産のサイダーの数々。

イサベラさんのおすすめはランチのサラダ。燻製サーモンのノルウェー風サラダと、温かいシェーブルチーズを使ったフランス風サラダがあります。今回はフランスの間ということでチーズをチョイス。ちなみに、シェーブルチーズはヤギ乳のチーズです。

「でも、別に食べ物を頼む必要はありませんよ。コーヒーかお茶でかまいませんから、ここにゆっくり座って、このラグジュアリーな雰囲気を味わってほしいですね。」とギセラさん。
2020年に新国立美術館が完成した後、このカフェがどうなるかはまだ何もわからないとのこと。もしかしたら、こんな贅沢な空間を味わうことができるのも今のうちだけかもしれません。もし国立美術館にいらっしゃる機会がありましたら、絵画鑑賞後の足休めに、グラス1杯のフランスワインを楽しんでみてはいかがでしょうか。

店舗情報
≪国立美術館 フランスの間≫(Nasjonalgalleriet, Den franske sal)
営業時間:火・水・金11:00 – 17:00、木 11:00-18:00、土日 11:00-17:00
(月曜日は美術館ともども休み。食事は16:00まで)
住所: Universitetsgata 13, 0164 Oslo, NORWAY
電話: (+47) 21 98 22 70
メール: denfranskesal@nasjonalmuseet.no
ランチ98NOK~、コーヒー34NOK~、紅茶・フレーバーティー44NOK~、スコーンNOK 47、ケーキ68NOK、ビール64NOK~、グラスワイン78NOKなど。(価格は2017年5月現在)

愛すべきケッタイな国・ノルウェー オスロ便り② ノルウェー初のスイミングプールと赤ちゃん水泳教室

どーもー!イースターホリデーを過ぎたらマイ・ベビーの髪の毛がふさふさしてきて、うっきうきのしぐりです☆ 産まれてこのかたずっとツルッパゲ状態だったのですが、ママ友グループの赤ちゃんたちも似たり寄ったりだったので、ずうっと気にしてなかったんですね。ところが……たまたまここ数か月、日本をはじめノルウェー国外に住む友達の出産が続きまして、発見してしまったのです。……うちの子、産まれたてホヤホヤの新生児に、髪、負けてる……。申し訳程度の頭髪がヒョロヒョロくっついてる程度だわ、口開けりゃあ歯もないわで、まるでおじいちゃんのような風貌だったのですが、連休を利用して日本に10日ほど滞在している間に、黒い毛がみるみるうちに生えてきたではありませんか!やはり髪の毛も発芽するには、植物と同じように湿度や太陽の光が大切なんですかね。この辺の関係、ご存知の方いらしたら教えていただきたいです。

さて、今回は歴史ある室内プール、ビスレット・バッド(Bislet bad)とそこで行われている赤ちゃん水泳教室のご紹介です。

Front

1920年、まだオスロ市がクリスチャニア市という名前だった時代にオープンし、今でこそレトロな雰囲気が魅力の建物ですが、建てられた当時は最も斬新でモダンな施設の一つで、「北欧で一番大きくて美しい屋内プール」と称されていたそうです。

interior

2005年に民間に経営がゆだねられるようになりましたが、それまでの85年間は市によって経営されていました。2011年には文化財保存庁(Riksantikvaren – Direktoratet for kulturminneforvaltning)により、保存すべき建物に指定されています。

その屋内プールで0歳から7歳までの幼児を対象とした水泳教室が行われていると聞いて、早速取材に行ってきました。
Entrance
入り口の素敵なステンドグラスが歴史を感じさせます。

水泳教室を経営しているのは「バーデニンフェネ」(Badenymfene)というスイミングクラブ。バーデ=水浴、ニンフェネ=ニンフたち、ですので、まぁ訳せば「水の妖精たち」といったところでしょうか。素敵な名前がついています。日本ならさしづめ「水泳教室・河童」ってなところでしょうかね。…ちょっと違うか。ビスレット・バッドでだけではなく、オスロ市内や郊外の他のプールでもレッスンを行っています。このスイミングクラブの一番年少さんクラスは、2か月~7か月の赤ちゃんが対象の「ヒトデさんクラス」。泳ぎの技術を習得するといったよりは、パパやママが歌ってくれるのに合わせて体を動かしてもらったり、泳がせてもらったりすることで、水の中にいる楽しさを知るのが目的です。取材に応じてくれたのはインストラクターのカテリーネ先生。

Instructor

2か月の赤ちゃんでも泳げるんですね、という私の質問に、早い子は6週間目から始めていますよ、との答え。私としては免疫力など大丈夫なのか気になってしまうところなのですが、「最年少クラスの大部分は3ヶ月~7ヶ月の赤ちゃんですが、ノルウェーでは6週間というのをスイミングに参加してもいいとされる最年少のボーダーラインとして採用しています」と教えてくれました。カテリーネ先生の知る限り、30~35年くらい前にはすでにベビースイミングがノルウェーで行われていたとのこと。低月齢のうちから始めるのもごく普通のことだそうです。

Instructor2

ひとりひとりに丁寧に指導するカテリーネ先生。

ここで、お父さんとお母さんの参加比率を尋ねると、

一番年少のクラスはほとんどお母さんですね。出産後まずお母さんが産休を取ることが義務付けられていますから。でも、その次の年齢のクラスになるとお父さんが増えますよ。お父さんは、パパ・パーミッション(産休のうち、お父さんが取るように義務付けられている部分)の期間に参加する人が多いですね。例えば、今日の最後のクラスは、ほとんどお父さんです。

と答えてくれました。やはりここでも、お父さんの育児参加率の高さを垣間見ることができます。

最後にベビースイミングのメリットを聞いてみると、親子間のより良いリレーションシップを築くのに役立つ点や、泳ぎや水の中での動きを身につけられる点(ノルウェーでは学校での水泳教育はあまり盛んではないとのこと)、子供のモトリック(Motoric、筋肉による体の動き)の発達が早い可能性がある点を挙げていました。

Lounge
婦人更衣室前のラウンジはお洒落なカフェのように落ち着いた空間。

Baby car
ベビースイミングの時間はベビーカーであふれています。

こういったクラスに参加するのではなく、個人的にプールで泳ぐ場合は、大人初回200クローネ、2回目以降は150クローネ。学生割引やシニア割引、子供割引、子連れ割引もあります。泳いだ後には、同じフロアにあるサウナやジャグジーも追加料金なしで利用でき、体をほぐして帰ることができます。

また、2階部分はジムになっており、プール部分の利用を含む1Dayチケット(大人初回450クローネ、2回目以降400クローネ)を購入することで利用可能です。(金額はいずれも、2017年4月現在。)

文化財指定されているレトロなプールで泳ぐ機会なんて、なかなかありませんよね。王宮などがある中心地からそう遠くない場所に位置していますので、時間に余裕があれば、ひと昔前の映画の主人公になった気分で泳いでみるのも、また一味違った思い出になるかもしれませんね。

【施設詳細】

Bislet bad og trening

住所:Pilestredet 60, 0167 Oslo, Norway

営業時間:月~金06:30–20:00、土10:00–17:00、日11:00–18:00 (休日は祝日とその前後。詳しくはホームページに掲載。)

電話: (+47) 21 04 27 33

http://www.bisletbadogtrening.no/

愛すべきケッタイな国・ノルウェー オスロ便り① ベビーシネマ

はじめまして!ノルウェーはオスロ在住のしぐりです。4月から現地の情報を日本の皆さんに向けてお送りすることになりました ♪
折角なので、市販のガイドブックには載っていないような情報をお届けしていきたいと思っています。よろしくお願いします。

ところで先月20日、国連が発表した「世界の幸せな国ランキング」でノルウェーが堂々の一位を獲得しました。それ以来、いろいろな方面からノルウェーについて聞かれることが増えました。雇用システム、教育システム、医療や年金といった社会福祉に関してや、はたまたエコカーの推進を含む環境問題に対する取り組みに関して、などなどです。

確かにノルウェーはそういった分野で先端をいっている国の一つです。それでは、そういったシステムを導入しさえすればどの国も幸せになれるのでしょうか。私はそうとも言えないように思うんですね。なぜなら、そういったシステムはすべて、いい面とともにネガティブな面も持ち合わせていて、例えば、そのために税金がえらいこと高かったり、こちらがサクサク済ませたい仕事が遅々としてすすまなかったり、アメリカや日本といった国々で受け入れられるかどうか疑問に思う要素と常に表裏一体だったりするわけです。

では、なぜノルウェー人の幸福度が高いのか。どのようにして幸福度が高くなるようなシステム(のネガティブな面)とうまく付き合っているのか。私はそこにはノルウェー人の性格が多分に関係していると思っています。日本人からすると、ケッタイな考え方やポリシーを持つことで、総合的な人生の幸福度を上げている、そう思うのです。

そのケッタイな姿の片燐をこれからお届けしていきますね(^_-)-☆

以前、ノルウェーに初めていらした日本人の方に「こっちって、ベビーカーをたたまないでバスに乗ってもいいんですね!」ってびっくりされたことがあるのですが、バスに限らずトラム(路面電車)からNSB(ノルウェー国鉄)に至るまで、公共の乗りものには全てにベビーカーのスペースが用意されています。

Gazou 1

バスのベビーカー用のスペース。お母さんが座れるよう折り畳み式の座席も。

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トラムの扉の開ボタン。ベビーカーマークのボタンは、運転手さんにベビーカーが乗ってくるのを知らせる役割があるとともに、外からこの車両にベビーカー用のスペースがあることが分かります。

ベビーカー優先スペースが用意されている安心感からか、こちらのママたち、おちびさんを連れて結構出歩きます。また、産休が充実しているので、赤ちゃんが1歳近くなるまで時間的にも余裕がある。そういったママ&ベビーを対象としたイベントがいろいろあるのですが、今回はそういったイベントの一つ、赤ちゃん連れのママたちのための映画上映「ベイビーシノ」(Babykino)をご紹介したいと思います。

ノルウェーで子供を産むと、なんと、市がママ友グループを作ってくれます。同じ週に生まれた赤ちゃんの中で、比較的近くに住んでいる子を4~5人づつピックアップして一つのグループにし、検診などで利用する地域の母子センターのような場所で引き合わせてくれます。

もちろん、別に義務や強制ではないので、すぐに自然消滅してしまうグループから、赤ちゃんたちが大人になるまで20年以上も続いてるようなグループまで様々だそうです。では、そのグループで何をするかというと、大抵の場合、月1くらいで集まって、カフェやメンバーの家でおしゃべりしたり、公園に散歩に行ったりするのが定番なのですが、定番の選択肢の一つにベイビーシノがあります。
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シノはノルウェー語で映画館のこと、ベイビーは赤ちゃん、つまりジャパニーズ・イングリッシュぽく言えば、「ベビーシネマ」ってとこです。オスロでは複数の映画館で平日の昼間にベイビーシノの回を設けていて、多い週には6~7種類の映画の中から選ぶことができます。
上映ホールの横にはベビーカー置き場もあります。
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個人的に私は、せっかくわざわざ映画館まで足を運ぶのであれば、子供を預けて一人で行ってどっぷり映画の世界に浸りたい、という考えでしたので、以前は赤ちゃん連れの映画鑑賞という選択肢はありませんでした。ところがある時たまたまだったのですが、自宅から一番近い映画館Ringen Kinoがフェイスブックのページでベイビーシノの上映作品のリクエストを募集しているのを見つけたんですね。何気なく、マイナーなノルウェー映画をリクエストしてみたら実際に採用してくれたんです。採用してもらった以上、半ば義理のような感じで行ってみたら、想像していたよりもずっと快適に過ごせたという経験をしました。そのRingen Kinoに取材に行ってきました。

インタビューに答えてくれたのは、2008年からRingen Kinoで支配人として勤めているマリアンネさん。

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マリアンネさんによると、ベイビーシノがノルウェーで始まったのは90年代の後半だそうです。ノルウェーより先に、お隣の国スウェーデンで行われていたのをノルウェーにも導入したとのこと。普通の上映と何が違うのかを聞いてみると、こう答えてくれました。

ホール自体は普通の上映と同じホールを使っています。ですが、赤ちゃんがびっくりしないように音を小さめにしています。また、客席の電気も明るめにしてあります。お母さんが赤ちゃんの様子を見たり、あやしたり、授乳したり、場合によっては立ち上がって通路に移動したりしやすいようにです。
そして必ず空席を作るために、チケットを全部売らないこと、この3点ですね。

空席をわざとつくるのは、赤ちゃんのものを置くスペースが必要であるのと、人が多いと赤ちゃんが神経質になってしまうので、リラックスできる環境を保つためにだとのこと。トイレにはもちろん、オムツ交換台やオムツ専用ごみ箱が用意されています。

また土日はベイビーシノの代わりに、幼稚園や小学校低学年のお子さんとその親御さん向けにお子様上映会「バルネシノ」(Barnekino)を行っているそうです。筆者も利用したフェイスブック上のリクエストサービスについても聞いてみると、6ヶ月前に始まったまだ新しいもので、リクエストが来た際にはできる限りその要望に応えるように努めています、とサービス向上に意欲的な答えが返ってきました。

また、他の映画館やスポンサーと一緒に、「バルセル・ブレイク」(Barsel break)という幼児の発達を促進するためのイベントも行っているとのこと。今回が3回目になるそうですが、毎回、知育の専門家を呼んで、指先をはじめとする全身を動かすことによる幼児の発達に関するレクチャーを行うのだそうです。幼児の知育発達のためのおもちゃがお土産についてきますよ、と現物を見せながら説明してくれたマリアンネさんに、最後に、どうしてそういった企画を始めたのかを聞いてみました。

―映画館は人が集まるのに適した場所です。特に子連れの方たちにとって。広いスペースがありますし、説明のための映像や写真を見せるのにもちょうどいい空間です。映画館の可能性、映画を上映する以外の可能性をお見せするいい機会だと思っています。

ベイビーシノは平日の昼間、複数の映画館で行われています。男性や赤ちゃん連れでない方も入場可能です。もし、小さいお子さまとオスロへ来る機会がありましたら、体験されてみてはいかがでしょうか。映画館でご自分のお子さまとセルフィー、なんていうのもいい思い出になるかもしれませんね。