愛すべきケッタイな国・ノルウェー オスロ便り⑥グリーグやイプセンも愛した老舗レストラン「エンゲブレットカフェ」

まだ一応夏であるはずなのに、食欲の秋がすでに到来してるしぐりです。アンズタケという日本ではあまり馴染みのないキノコがあるのですが、こいつが晩夏から初秋にかけて森の中に生えてるんですね。こちらではカンタレル(Kantarell)と呼ばれておりますが、あたくし大好物なのです。ただ、あまりお醤油とかお味噌に合う香りではないんですよ。鍋やお味噌汁にはNG。日本で馴染みがないのもうなずけます。クリーム系のパスタソースとかクリームスープ、もしくはバター焼きにするとめちゃくちゃ美味しくて、むしゃむしゃやらかしてる間にすっかりカロリーオーバー。早くもお腹まわりがとんでもないことになってしまっています。

今回はオスロを訪れたら是非立ち寄っていただきたい老舗レストランをご紹介したいと思います。ディナーは少々お値段が張りますが、ランチはノルウェーとしては平均的な値段で楽しめます。

1857年創業。1857年って言ったら日本じゃまだ江戸時代ですよ。作曲家グリーグ、劇作家イプセン、画家のムンクをはじめとする数多くの芸術家、政治家に愛されたレストランです。


レストランの向かいには噴水を挟んで国立現代美術館。もともとは銀行のための建物でしたが、1837年にクリスチアニア劇場となり、そこの舞台監督に就任していた時期のイプセンがちょくちょくこのレストランに来ていたそうです。

イプセンがいつも座っていた2階の席。窓からは元劇場の現代美術館が眺められます。

その隣のランプが置かれている席はグリーグの定席だったテーブル。

今回話を伺ったのは、レストラン・マネージャーのミルヴァさん。
このレストランの魅力は何といっても、トナカイの肉や酢漬けニシンなど、ノルウェーの伝統料理のみを提供しているところ。クリスマスの時期にはクリスマスパーティー用の特別メニューも登場し、ルーテフィスク(Lutefisk)という干し鱈をゼリー状にしたものや、スマーラホーベ(Smalahove)という羊の頭の料理などノルウェー独特の料理を提供しているそうです。


比較的リーズナブルなランチメニューのおすすめを伺うと、フィッシュスープと小エビのサンドイッチをあげてくれました。1862年からのレシピを守りつづけているフィッシュスープは魚介類の味がしっかり溶け込んでいて、一緒についてくるバターつきのパンと最高のコンビネーションです。


エビとイクラをふんだんに盛り付けたサンドウィッチ。下にあるパンが完全に埋もれて見えません。


外のテラス席と、入り口を入ってすぐ左手の部屋が食事のお客さん用。

入口右手の角部屋は、食事ではなく、お酒やケーキなどを楽しみたい人向けの部屋。昔、ボヘミアンたちがお酒を片手にくつろいでいたそうですが、今もその雰囲気を残しています。

そのほかの部屋は、グリーグやイプセンのテーブルがある2階の部屋を含め、会食用なので大人数での予約が必要ですが、使われていないときに限り自由に見学できます。

部屋の壁や階段にかけられている古いプレートは、「プルプルネーセオルデン」(Purpurneseordenen)といって、訳すと「赤っ鼻勲章」。19世紀当時、土曜日の夜は強いお酒を大っぴらに飲めなかったそうなんですね。ですが、芸術家が集まるとやはりお酒がつきもの。内々で土曜夜17時以降に強いお酒を飲んだ人に、良くやった!てなノリで、芸術家協会(Kunstnerforeningen)がその勇気(?)をたたえて贈った、パロディー的な勲章です。

[店舗情報]
Engebret Café
Bankplassen 1, 0151 Oslo
電話: +47 22 82 25 25

月曜~金曜11:30-23:00(食事は21:30まで)
土曜17:00-23:00(食事は21:30まで)
日曜休業

ランチ155NOK~
ケーキ145NOK~
ディナー メイン料理298NOK~
(2017年8月現在)

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