2020.02.27

グルメアイスランド

オタケビ体験 アイスランドの伝統食Þorramatur

Góðan daginn (=ゴウザン ダイイン、アイスランド語で「こんにちは」)、アイスランドはレイキャヴィクから「木」です。

今日は皆さんにアイスランドの食べ物をご紹介します。
食べ物といっても普段食べるものではなく(いや、普段食べたりもするのですが)伝統的なものです。
先にお伝えしておきますが、日本の食べ物で作られた舌にとってはなかなか衝撃な味のものもあります。食べ物はその土地の文化や歴史を垣間見る窓。それを美味しいと思うかそうでないと思うか、その率直な感想も含めて文化や歴史に触れることだと思っています。
私はアイスランドに住んで10年ですがこれからご紹介する食べ物の味にまだ慣れていません。しかしながらそれに慣れないのも私のここまで生きてきた背景、私とアイスランドの舌の差、つまり文化であり、これからも慣れないながらも食べていこうと思っていますが、食べるたびについついオタケビをあげてしまいます。
アイスランドに観光でいらっしゃる際にも食事を通して文化や歴史を体験してもらいたいと思いますが、あまり固くならないように私の体験からこの食事を食べることを「オタケビ体験」と呼びたいと思います。文化や歴史に触れることだけどカジュアルに接し、尊敬を払いつつ、自分のバックグラウンドとの差異を見る。旅行体験の一つだと思います!

と、前置きが長くなりましたが、肝心のその伝統的な保存食、これをまとめてÞorramatur(ソーラマートゥル)と呼びます。基本的にはいつもスーパーマーケットで売っているものも多いです。つまりいつも食べている人がいるということですが、これらをまとめて皆で集まって食べるのがÞorrablót(ソーラブロート)。北欧神話に由来するアイスランドのお祭で現在は大体2月くらいに行われます。端的にいえば、皆で集まってソーラマートゥルを食べながら大いに歌い、酔っ払い、楽しい時間を過ごします。

今日はソーラブロートは置いておいて、ソーラマートゥルの話。想像に難くないと思いますがかつてアイスランドはとても厳しい時をすごし、特に冬の間の食べ物は主に保存食に頼ることになりました。保存というと世界には色々な保存方法がありますが、アイスランドでは主に乾燥か乳酸。この時期になるとスーパーマーケットでは豪快に売られるようになります。

精肉コーナーがあるスーパーマーケットでは量り売りで買えるところも。

まずは概観を見ていただきました。さてここでぐっとズームアップしてみましょう。

これはHarðfiskur(ハルズフィスクル)。乾燥させた鱈でマヨネーズならぬたっぷりのバターをつけて食べます。高プロテイン!これは私も普段でも食べます。

Hangikjot(ハンギキョート)。燻製した子羊のモモ肉。スモークの香りは強めですがこれもおいしい。バターを塗った薄いパンに載せてたべます。

さて皆さん。ここから私が毎年オタケビをあげる、要は日本で生まれ育った人の多くがもつ食体験とは離れた味のラインアップを紹介しようと思います。食事は文化。

まずは有名どころから。Hákarl(ハウカットル)。発酵させた鮫です。発酵させたというか、鮫は発酵させないと食べれないそうです。強烈なアンモニア臭。これを一つほおばり、アイスランドの地酒であるBrennivín(ブレネヴィン)のショットで流します。私の中ではこれは食感を楽しむ食べ物として最近はオタケばないようになってきました。高野豆腐を固めに煮付けた感じに近いかな?これは有名なのでレストランのビュッフェでもあることがありますよ。

続いて、Svið(スヴィズ)。羊の頭。これは見た目はオタケビ体験ですが実際は美味。羊のほっぺたは草を食むのでたくさん筋肉が使われて美味しい場所なのだそうです。文字で書くとちょっと衝撃的かもしれませんが、目玉と舌も滋味がありおいしいです。

そしてそのスヴィズの肉をほぐしてゼリー寄せにしたのがSviðasulta(スヴィズスルタ)。これは私はちょっと食感が苦手ですがアイスランドでは好きな人が多く、ハイキングでエネルギー源として持つという人の話を聞きました。ハイキングジャケットの中にゼリー寄せ・・・。崩れないのかしら…。

これはLifrarpylsa(リーヴラピルサ)です。羊のレバーで作るソーセージ。私のオタケビレベルが上がってきます。昔は胃袋に入れて煮ていたそうですが今は布。レバーペーストの、味がないような感じというか、なんとなく味がない感じがしてしまうのです。これは私は塩コショウを(そっと)かけたり、家ではちょっと大根おろしと醤油をつけてみたりしてアレンジしたら美味しく感じましたよ。邪道ですね。

さてここでぐっとオタケビレベルを上げます。

Súr hvalur(スールクヴァールル。乳酸漬けの鯨肉です。毎年必ずオタケビをあげる一品です。酸っぱいんです。ヨーグルトの上澄みにあるような酸っぱさ。鯨がとれたらたくさんの食糧がとれた一方、悪くしないように保存するにはこのように乳酸を使っていたのですね。

そしてこれ。なんだか想像できますか?

Súrsaðir hrútspungar(スールサージル ルースプンガル)です。羊の睾丸をゼリーで固めたものです。酸っぱいです。わたくし、初めてこれを食べたときにそれが何かわからず周りのアイスランド人に勧められるままに頬張りなんとも言えないその味と食感にオタケビをあげ、飲み込むのが精いっぱい。楽しそうに笑うアイスランド人に何か尋ねてまたオタケビをあげました。スヴィズもそうですが、貴重な食糧を無駄にしないように工夫が凝らされています。羊(を初め家畜)はアイスランド語でFé(フィエ)といい、お金という意味でもあります。厳しい自然のなかでいかに食べ物を持たせるか、どのようにとらえられていたかが今も残ります。

この時期は大きなスーパーマーケットではソーラマートゥルがセットされて売っていることもあります。それぞれの量はお少なくないので体験ということで買い集めるのは大変かもしれませんのでもしこういうパッケージは試食体験として手軽かもしれませんね。

ソーラマートゥルをセットでだすレストランはないのですが、レイキャヴィクのランドマークであるハトルグリムスキルキャ教会の前にあるCafé Lokiではちょっと体験ができます。食べることで文化や歴史を体験してみてはいかがでしょう?

それではまた、Bless bless!

Café Loki https://loki.is/menu

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